先頃撮った写真を届けにNじいちゃん宅に伺う
声を掛けてもあちこち探しても見あたらない
裏山へ向かう道を登って行くとじいちゃん発見
驚かさないように少し遠くから声を掛けるも 耳が遠いので振り向いてくれない
近くに寄ってから声を掛けるとやっと気が付いた
年を取ると近くで急に声を掛けてもあまり驚かなくなるようだ
何処に行くのかと聞いても フガフガ...となかなか聞き取りにくい
漸く分かったのは 松の木が枯れて倒れかけているのを伐採した
ところが途中で引っかかり 掛かり木となってしまったので 倒しに行くのだと言う
「じいやん おら手あおうかえ?」と言うとやっぱり「フガフガ....」
「頼む!」と言っていると勝手に解釈して着いて行くと すぐに現場に到着
幸い簡単に倒す事が出来たが 掛かり木は非常に危険なのだ
ましてやお年寄りには何をか言わんやである
しかし たまたま来てお手伝い出来たが いつも出来る訳じゃないので 安易に手伝う事が良い事なのかどうか?とも思う
話は逸れるが バスを待っている人を乗せてあげる事は 一見親切で良い事のように思えるが そういった行為が 山間部に住むお年寄りには重要な移動手段であるバスの本数を減らす事に通ずるのではないかと考えてしまう
KLASSE S
集落を歩いていると Oさんが肥えを切っていた。
昔は牛の餌にもしたけれど 今は牛を飼っている家はないので畑の肥やし専用。
昔 祖父が草をあてがい 兄が切っていて「痛いっ!」と言ったと思ったら 祖父の指が一本 第一関節から切断してしまった。
その時の兄はまだ幼く どうしていいのか分からず ただ呆然としていた。
すると祖父は「おい。これをナツメの木の元へ放って来い」と言って手渡したそうだ。
兄は 逆らう事も出来ず祖父の言う通りに 庭の先にあるナツメの木の根元にその指を捨ててきたのだ。
その話をOさんにすると「おお 昔はそんがなのはようあったんぞ。Sのじいさんや四本みな飛んだんぞ。ほなきに金槌振り上げても しっかり持てんきに さいさい向こうへ向いて飛んびょった(笑)」
今なら大事件で テレビのニュースになりそうな事が 昔は日常の中で起こっていた。
すぐに立ち去るのは気が引けるので 手伝いをしようと思ったが そんな事を聞かされた後では どうも気が進まない。
加害者にも被害者にもなりたくないからね。
そこでパンパンになったビニール袋を軽トラックに乗せてからOさんと分かれた。