もう 村内の殆どが蕎麦刈りは済んでいるが Yさん宅はちょっとタイミングが遅くなった
と言うのも 大阪と徳島に出ている息子さんが毎年手伝いに帰って来てくれているが 今年は丁度台風の影響で雨が降っていたので「もう今年ぁ去なん」と言って帰って来なかった
仕方なくご夫婦だけで蕎麦刈りをしていた
「もう腰は痛い 膝は痛い 歳取ってしもてあっちもこっちもごじゃよ」
それでも畑や体を遊ばせていてはいけないと 作り続けている
「いごく内はいごかなの ボケてしまうわ」
「わんくで蕎麦切りするんかえ?」
「いやあ わんくじゃせん 子供ら居らんようになって夫婦(みょうと)ばあじゃきに 今はみなあん農協へ出っしょるのよ」
食べて喜んでくれる人が居ないのでは やる気が起こらないのだろう